「430(ヨンサンマル)」または「430休憩」という呼び方が数年前からよく使われるようになり、そのおかげで「4時間運転したら30分休み」のルールが広く知られるようになりました。
「430」という、シンプルでわかりやすく覚えやすい名前がよかったんだと思います。
誰が言いはじめたか知りませんが、労働基準局長賞クラスの功労者じゃないでしょうか。
お客様先で講習をするときに乗務員さんに改善基準のクイズを出すことがありますが、以前は「2時間運転したら15分休み」みたいなヘンな回答が本当に多かったんです。
さて、連続運転時間のルールをもうちょっときちんと見ておきましょう。
ポイントになる数字は次の3つです。
① 連続運転時間は4時間まで
② 連続10分以上の運転中断をカウント(10分未満の運転中断は運転時間扱い)
③ 運転中断時間が累計30分以上でリセット
①と③が「430」の「4」と「30」、それに②の「10」ですね。
これらの数字を使って連続運転時間のルールを説明しなおします。
乗務開始から、連続運転時間と連続10分以上の運転中断時間の累積カウントを開始する。
運転中断時間の累積が30分以上になったら、次に走り出すときに連続運転時間と運転中断時間をリセットして累積カウントをゼロから再開する。
このカウントを乗務終了まで繰り返し、乗務開始から終了までに連続運転時間4時間超があればアウト、1度もなければセーフ。
さて、ここまでは現行の改善基準での連続運転時間のルールのおさらいです。
新改善基準ではどうかと言うと、骨格はそのままで変わりありません。
ただ、細部で3つの変更点があり、それがなかなかやっかいなんです。
⑴ 運転中断時間は原則として休憩を与えること
⑵ おおむね連続10分以上の運転中断をカウント
⑶ 条件により連続運転時間は4時間30分まで延長可
次回から、それぞれについて見ていきたいと思います。