新着情報

What's New

新改善基準の話・第20回 運転時間 その2

2日平均1日の運転時間については1つ問題があります。
「2日」が具体的にどの範囲なのか、という問題です。
改善基準告示に「二日(始業時刻から起算して四十八時間をいう。)を平均し」とあるので、48時間という要素は尊重する必要があるでしょう。
ではその48時間をどう切り取るかのか。
「前日と特定日」と「特定日と翌日」のうち、「特定日と翌日」の方は特定日の始業から48時間の一択でしょう。
迷うことはありません。
悩ましいのは「前日と特定日」の48時間をどう切り取るかです。
この問題、実はわたしもずっと悩んでいました。
この文書の「3ー6」に

(Q)2日平均の運転時間の起算点は、次のいずれから計算すればよいのでしょうか。
  ① 特定日の始業時刻の24時間前から48時間
  ② 特定日の前日の始業時刻から48時間

という質問があり、②の方で計算するように、という回答が示されています。
特定日を中心とした疲労度などのめやすにするなら、①の方が趣旨に合っているんじゃないか、という気もします。
それに対して②は、改善基準告示の「二日(始業時刻から起算して四十八時間をいう。)」の「始業時刻から起算して」という条件を字面の上で満たします。
とはいえ、前回書いたように、実際には改善基準通達が改善基準告示とちがうチェック方法を指示しているので、字面を満たしても形ばかりのむなしさはあります。
②の方がすぐれている点が実はもう1つあります。
計算回数を節約できるんです。
①では、「前日と特定日」「特定日と翌日」の2つの計算をすべての特定日に対して毎日やり直す必要があります。
②だと、ある特定日用に計算した「特定日と翌日」の数字を、そのまま翌特定日の「前日と特定日」の値として使い回すことができます。
計算回数がほぼ半分になるということです。
管理する運行管理者にとっても監査する労働基準監督官にとっても、これはラクで助かりますよね。
というわけで、なぜ②になったのか本当のところは知りようもありあませんが、「前日と特定日」としてカウントする範囲は特定日の前日の始業時刻から48時間です。