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新改善基準の話・第24回 連続運転時間 その4

新改善基準の連続運転時間の3つの変更点の最後です。
 ⑶   条件により連続運転時間は4時間30分まで延長可
ここでの「条件」とは

高速道路等のサービスエリア又はパーキングエリア等に駐車又は停車できないことにより、やむを得ず連続運転時間が「4時間」を超える場合(新改善基準通達 第2の4の⑸))

のことです。
新改善基準通達ではこの後に、サービスエリア又はパーキングエリアに限らず、「コンビニエンスストア、ガスステーション及び道の駅」でもよいと書かれています。
高速道路に限らず一般道でも、あてにしていた駐車スペースがふさがっていた場合が当てはまりそうです。
ただ、挙げられている場所はどれも一般に開放されているスペースなので、自社や取引先の駐車スペースにも当てはまるかというとビミョーかもしれません。
そして重要なのは、従来の改善基準で4時間までだった連続運転時間が新改善基準で4時間30分までに変更されたわけではない、ということです。
新改善基準でもベースは4時間であり、4時間30分が適用されるのはあくまで例外です。
計画段階から4時間30分を当てにしてはいけないのです。
*   *   *
以下では、この連続運転時間の延長についてちょっとマニアックなことを書きます。

③ 1日何回まで延長できるでしょうか。

という質問があり

③ 延長できるのは、一の連続運転時間につき1回限りです。(以下省略)

という回答が出ています。
質問と回答がちょっとかみ合ってないような気がします。
1日に延長できる回数を答えるとしたら、連続運転の回数しだいで「回数制限は特にない」ということになるでしょう。
悩ましいのは、このかみ合わない回答がまた新しい問題を生み出すことです。
「延長できるのは、一の連続運転時間につき1回限りです」を、質問とセットでサラッと読めば、「1回の連続運転時間は4時間までですが、(必要な条件を満たせば)毎回4時間30分まで延長できます」ということを言っているように思えます。
でも、このことを伝えるのに「1回限り」という言い方をするでしょうか?
「一の連続運転時間」を2回以上延長する場合が想定できる状況でなければ、「1回」でなく「1回限り」と言う意味がないでしょう。
でもそんな想定ができるんでしょうか?
たとえば次のような場合が考えられるかもしれません(以下の例では、わかりやすいようにそれぞれの時点での連続運転時間と運転中断累積時間を[連続x:xx 中断xx分]の要領で併記します)。
 ❶ 連続運転時間3時間50分、運転中断累積時間10分の状態で本来の休憩予定地コンビニS駐車場に到着[連続3:50 中断10分]
 ❷ S駐車場が満車だったのでさらに15分運転した後、別のコンビニF駐車場に到着[連続4:05 中断10分]
このF駐車場で20分以上の休憩を取ったとすれば、運転中断時間の累積が30分以上になるので、連続運転時間を4時間から5分延長して必要な運転中断時間を満たしたことになります。
その場合は問題ありません。
そうではなくて話が次のように続く場合を考えてみましょう。
 ❸ F駐車場で10分間休憩[連続4:05 中断20分]
 ❹ 運転を再開し10分後に別のコンビニL駐車場に到着[連続4:15 中断20分]
 ❺ ここで10分の休憩を取った後に運転を再開[連続4:15 中断30分]
この場合、L駐車場から運転を再開する時点で運転中断累積時間30分、連続運転時間4時間15分なので、連続運転時間4時間30分以内に必要な運転中断時間が取れたことになります。
同時に、連続運転時間4時間をオーバーしてから運転している区間が2回(❷と❹)あるので、これを「1回限り」に該当しない2回延長のケースと考えることもできそうです。
ただ、そうすると元々の質問「1日何回まで延長できるでしょうか」という素朴な疑問への回答としては、かなりかけ離れたこみ入った話をしているように思います。
この点、念のため労働局に問い合わせて答えをもらいたいと思います。