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新改善基準の話・第28回 予期し得ない事象への対応時間 その3

前回まで説明してきた「予期し得ない事象への対応時間」のルールを適用するうえで、注意点が3つあります。

どれも「新改善基準通達」(第2の4の⑺ PDF 21~22ページ)に書かれているものですが、見落としやすいので気をつけましょう。
⑴ 勤務終了後に必要休息期間を与えること

この場合、勤務終了後、通常どおりの休息期間(継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない)を与えること。新改善基準通達 第2の4の⑺ PDF 21ページ)

こんなあたりまえのことがわざわざここに書かれているのはなぜか?

この休息期間が確保できない場合は、休息期間のルールを守れないだけでなく、1日の拘束時間、2日平均運転時間、連続運転時間から対応時間を除くこともできない、と考えるべきでしょう。

また、必要休息期間の長さについては「継続9時間を下回らない」と数字を挙げて書いてあります。
長距離運送の場合の休息期間は週2回まで継続8時間以上で OK のはずですが、その場合でも継続9時間以上の休息を取っておいた方が安全かもしれません。


⑵ 対応時間を除くことができるのは、「1日の拘束時間」「2日平均運転時間」「連続運転時間」だけ


同じ拘束時間または運転時間でも、「1ヵ月および1年の拘束時間」「2週平均運転時間」から対応時間を除くことはできません。


1日2日の短いスパンでカウントする項目からは除くことができるけど、2週間以上の長期のカウントからは除けない、ということですね。

「予期し得ない事象」が発生しても長期カウント項目がオーバーしないよう、余裕をもった運用が必要になります。


⑶ 休憩時間以外の対応時間は労働時間になる

あたりまえの話ですが、対応時間を改善基準上の拘束時間、運転時間から除くことはできても、労働時間であることに変わりはないので、労働時間から引くことはできません。

時間外労働、深夜労働、休日労働に該当すれば割増賃金も発生します。