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新改善基準の話・第34回 2人乗務の特例 その2

新改善基準では現行の改善基準の内容を引き継いだうえでプラスアルファの内容が加えられています。

それを「平屋」が増築によって「2階建て」になった建物にたとえました。

現改善基準からの1階部分について前回説明したので、今回は増築された2階部分を取り上げます。

2階部分の特例は次のとおりです。

最大拘束時間 24時間
休息期間 4時間以上 
(「1階部分」のまま)

休息期間については1階部分に追加して書かれていることは何もないので現改善基準と変わっていません。
最大拘束時間だけが延長されています。

2階に上がるためには設備面と運行後休息の2つの条件を両方満たす必要があります。
・ 車両内に自動車運転者の休息のためのベッドがあること
・ 一の運行終了後、継続 11 時間以上の休息期間を与えること
設備面の条件は、車両の技術開発動向によって将来変更される可能性を残しつつ、現時点では下記(ア)と(イ)の両方を満たす車両内ベッドに限られています。

(ア)長さ 198cm 以上、かつ、幅 80cm 以上の連続した平面であること
(イ)クッション材等により走行中の路面等からの衝撃が緩和されるものであること
新改善基準通達 第2の4の⑻のイ PDF 24ページ)

また、車両内ベッドの位置は、安全な乗車が確保できないことから車両の上部は不可とされています。

大型トラックの場合、「長さ 198cm 以上」はクリアできたとしても「幅 80cm」という条件を満たすものは少ないようです。

それもそのはずで、この2階部分は「馬匹輸送(競走馬輸送)におけるトラックの運行実態等」をふまえて増築されたものだからです。

だからといって馬匹輸送以外のトラックに適用されないわけではないのですが、車両内ベッドの条件で適用外になる場合がほとんどでしょう。

今回は、2人乗務の特例にあらたに加えられた2階部分について説明しました。

前回から何度も「2階建て」というたとえで話をしてきましたが、実は2階の上にはさらに「屋根裏部屋」も付いているんです。

次回はその屋根裏部屋をご案内しつつ、さらに2人乗務の特例に出てくる「休息期間」とその周辺の用語についてもちょっと考えてみたいと思います。