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新改善基準の話・第8回 1ヵ月と1年の拘束時間 その1

新改善基準の1ヵ月および1年の拘束時間のルールは、「原則」と「延長」の2段構えになっています。
まず「原則」から見ていきましょう。
  1ヵ月の拘束時間上限[原則] 284時間 (旧基準:293時間)

  1年の拘束時間上限[原則]  3,300時間 (旧基準:3,516時間)
1ヵ月、1年ともに旧改善基準より短くなっていますが、違いはそれだけではありません。
注意したいのは、1ヵ月の上限と1年の上限の関係が新旧で違うことです。
旧改善基準では、1ヵ月の上限と1年の上限の関係は
  293時間(1ヵ月上限)× 12か月 = 3,516時間(1年上限)
でした。
毎月1ヵ月の上限を守ってさえいれば1年の上限を超えることはありません。
ところが、新改善基準の場合は
  284時間(1ヵ月上限)× 12ヵ月 = 3,408時間 > 3,300時間(1年上限)
という関係です。
1ヵ月上限値に12ヵ月をかけた値が1年の上限値より大きいのです。
この場合、毎月284時間以下をきっちり守ってきたのに1年の上限を超えてしまった、ということが十分起こりえます。
1年の拘束時間上限を守るという観点からすると、1ヵ月の拘束時間の上限は284時間ではなくて275時間(=3,300時間÷12カ月)のつもりでいた方が安全かもしれませんね。